平成29年10月30日

 

       【報告】KYH山小屋の今後を考える会について

 

 

 以下のとおり報告いたします。

 

 

1.日程等

(1)日 程

    平成29年9月22日(金)18:30~21:00

(2)場 所

      三田キャンパス 「社中交歡 萬來舍」(しゃちゅうこうかん ばんらいしゃ)

(3)出席者

     14名(敬称略)

        松島  良樹39年卒)     和泉  哲也(49年卒)

        木下  渉  51年卒)     大久保 孝治51年卒)

        篠田  知成(52年卒)      中島  慎吾(53年卒)

        長島  岩夫53年卒)      小川  哲郎55年卒)

        鈴木  直樹(56年卒)     飯塚  雅人(56年卒)

        柴田  敏美(58年卒)     高野  基幸(60年卒)

         道脇  利男(61年卒)     後藤  文恵(平成元年卒)

 

 

2.結 論

   KYHクラブ現役生の数が激減して、今や“慶應義塾大学ユースホステルクラブ”

  そのものが存亡の危機に直面している今、また、山小屋の利用者が少なく、将来の

  利用も多くを期待できないと考えると、ある期限を設定して、山小屋の終焉を見届け

  ねばならないという思いに至りました。

   現在、山小屋を利用しているOBの年齢を考えると、あと最大10年程度の存続は

  可能と考えます。

   そこで、「山小屋検討実行委員会」【仮称】を発足させて、”お別れのX-Day

  設定し、逆算して、その日に至るまでの段階を踏んでいく作業をして行きたいと思い

  ます。

   今後の検討、進め方について話し合い、合意した事項は次のとおりです。

 

○ 山小屋の最終廃棄の期日(5~10年後のX-DAY)を設定する。

○ この期日までのKYH三田会の長期資金繰りを検討する。

○ 「武尊山観光開発」に更地状態で寄贈する方向で、契約書締結を交渉する。

○ 次回(平成30年1月または2月)の第2回「山小屋の今後を考える会」に

 ついては、山小屋建設に深く関わったOBにご出席をお願いして、ご意見を

 述べて頂く。

○ 平成30年4月または5月開催のOB総会に山小屋検討実行委員会【仮称】

 発足を発議し、承認を得る。

 山小屋検討実行委員会【仮称】役員選出

   ・委員長         長島 岩夫53年卒)

   ・現場・修繕工事担当   木下 渉  51年卒)

   ・法務担当(登記、権利) 中島 慎吾(53年卒)

   ・実行委員        若干名

○ 平成31年(2019年)の創立60周年総会(渋谷エクセルホテル東急)にて、

 同委員会の決定事項を発議し、承認を得る。

 

 

3.議事、主な意見

   開会に先立ち、篠田幹事長から本日の「山小屋の今後を考える会」の開催趣旨や開催

  までの経緯について説明がありました。

   和泉会長の開会挨拶続き、出席者からは以下のとおり様々な意見が出され、また当

  山小屋の権利・登記関係の具体的な内容や宝台樹スキー場(以下「スキー場」)の現況

  といった重要な情報がご紹介されるなど、和気あいあいとした雰囲気の中で熱心な

  話合いが行われました。

 

(1)建設のいきさつ、現況

   ○ 山小屋の建設は岩本龍人先輩(38年卒)が主導的になって進めてくれた。

    できたとき(昭和46年)は嬉しかったが、行ったことはなく山小屋は知らない。

   ○ かつて上の原高原に山の家があり、そこに泊まって、その場所がいいと思った

    KYHのOB有志が現在の場所に山小屋を作った。土地はもともと雲越さんの

    土地で、岩本さんに譲渡された。山小屋を売るなら、雲越さんに声をかけるのも

    一つ。

   ○ 山小屋はスキー場の“中洲”に位置するが、現在は東側の斜面がメインコースに

    なり、山小屋周辺のコースは利用者が少なくなった。

   ○ このスキー場は、群馬県の中でも比較的人気がある。

   ○ 山小屋の水は、スキー場のご好意で使用している(マーモットさんも)。

   現状は、年に1、2回、OB有志が風を入れて、掃除をするくらい。宿泊は基本

    的に民宿。山小屋には山の好きなOBが年に2~3泊する程度。

   ○ 山小屋に行っていた人は、山の好きな人が2割、残りは山小屋があるから行って

    いた人という感じだろう。

 

(2)修繕工事

   ○ 平成29年8月にOB個人で山小屋に宿泊し、今回の本田建設による山小屋修繕

    工事の実施状況を確認した。但し、今後KYHとして修繕工事の“検修”を行う

    必要がある。

   今回の修繕のポイントは3つ。①台所の床板の貼替え(板の腐食)、②ベランダ

    板の貼替え(さらに撥水塗料)とその下の土留め、③水が使えるように玄関付近

    に水道の元栓を設置。他に、窓枠の修理など。

   ○ 周辺環境は、夏はバギーやトレイルランニングができ、冬はスキーができる。

     トイレとベッドを整備すれば、宿泊施設として貸し出すことができるかもしれな

    い。道具を持っていけば、バーベキューもできる。

 

(3)権利、登記

   ○ 登記は、土地が昭和43年、建物が昭和45年12月。

   ○ 登記簿上の所有者は和泉会長。

   火災保険は契約済。建物全損は100万円。

   土地は約200坪(695平方㍍)、評価額は30万円。

   ○ 測量を鑑定士に依頼すると40~50万円必要。問題は、水利権の確認が取れて

    いないこと、公道からの取付け道路が不明なこと。

   ○ 宝台樹スキー場の管理運営は「武尊山観光開発」、所有は「武尊山観光開発」と

    「近隣の森林組合」。なお「武尊山観光開発」は、群馬県、みなかみ町、森林組合

    の共同出資。

   ○ 権利関係が複雑なため、第三者への売買は難しい可能性がある。また、寄贈など

    の場合も、関係機関との協議が必要。

   ○ 山小屋について、KYHと雲越さんが交わした覚書がある。それはKYHOB

    会長が変わっても効力がある。管理はKYH

 

(4)今後の在り方

   将来どうするのか、利用するのか、解体するのか。

   KYHのOB、および外部でも山好きな人と共有、所有とする方法もある。

   NPO法人を作って、そこに運営と管理を任せる。

   山岳会に寄付し、維持できる人が管理していく。

   ○ 山小屋はKYHのシンボル。現状のまま10年くらい我慢して、やっていったら

    どうか。できる範囲で。

   現在のOB会費について、約700名のOBのうち、会費を払っている人は約

    150名。4000円の年会費で、年間に約60万円が予算額。これから先、OB

    会費が減っていくことが考えられる。

   山小屋に使えるOB会費は100万円くらいある。毎年山小屋用に20万円を

    振り替えている。

   OB会費で維持できる、予測できる収入分とエンドにかかる費用を計算して、

    エンドの年を決める。それに向けて粛々と準備をしていく。例えば、撤収までの

    期限を5年後または10年後というように。

   KYHの収入(OB会費)は今後減っていくが、撤収費用は確保する必要がある。

   贈与や寄付をするにしても、手続きや書類作成などに2~3年かかるだろう。

   撤収は大変である。手続きに2~3年かかる。

   エンドまでに3種の費用が必要。

     ①手続き関係、②撤収費用(更地にする費用)、③その間の維持運営費用

   「武尊山観光開発」が山小屋の土地を欲しいと考えるかは分からないが、交渉相手

    は同社になる。

   山小屋検討実行委員長は、長島岩夫さん53年卒)にお願いする。

   今回の意見を、事実認識と結論認識としてまとめて、次回の「山小屋の今後を

    考える会」に報告する。

     次回は、山小屋に沢山宿泊したOBの皆さんの参加や意見を是非お願いしたい。

   撤収の準備と、運営(山小屋に行って楽しむ)とは別の話。

 

(5)その他

   ○ 現在のKYH現役部員は、2~3名。1年生、2年生がゼロで、今後の存続は

    難しい。

   ○ 現役がいなくても、手続きをしておけば、KYHの名前は残る。

   ○ 早稲田、中央大など他校のYHCは残っている。ワンゲルや旅行サークルなどと

    一緒に活動する方法もある。

                                     以 上

                           (記録:道脇利男、後藤文恵)